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※本記事は『物流ウィークリー』の記事をもとに、加筆・編集したものです。 「適正原価の『段階的導入』を検討している」 10月13日、国土交通大臣が会見でそう発言した、という記事を読みました。 先日書いた『適正原価は「打撃」なのか。「猶予」を求める声を、運送会社の目線で読み解く』で触れた、新聞業界の「猶予・段階的導入」の要望。 その続きが、ここで動き始めたことになります。 今回は、この「段階的導入」とは何なのか、運賃の最低ラインにどう影響しうるのかを、運送会社の目線で整理してみたいと思います。 1.10月13日の大臣発言で、何が語られたのか まず、記事で伝えられている事実を整理します。 きっかけは、新聞・出版の業界団体から10月8日に大臣宛の要望があったことです。 制度に「猶予期間」を設けてほしい、という内容でした。 これに対して大臣は、会見で次のような趣旨の発言をしたと伝えられています。 ・適正原価制度は2028年6月までに施行することになっており、法律の猶予期間の設定は難しい ・施行までの約2年間と、事業許可の更新申請までの約2年間を使って、運賃交渉などに対応してほしい ・一方で、国交省としても、この約4年間における制度の段階的な導入を検討している つまり、法律上の猶予は認めない。 でも、運用の中で「段階」をつくることは検討する、ということです。 記事によると、適正原価制度について国交大臣が発言するのは異例だそうです。 荷主業界の要望に、制度の所管大臣がすぐ反応したことに、トラック業界からは反発があるのではないか、とも書かれています。 2.「段階的導入」とは、具体的に何をするのか ここで気になるのは、「段階的」とは何をどう段階にするのか、という点です。 制度設計を担当する貨物流通事業課は、取材に対して次のように話したと伝えられています。 「最初からすべてを積み上げた制度にするのか、施行から(更新の)申請開始までの2年間で少しずつ(項目数を)上げていくのか」 適正原価とは、運賃を考えるときの「これを下回ってはいけない」という原価の物差しのことです。 その物差しは、いくつもの費用項目を積み上げてできています。 国交省がすでに案として出している構成要素は、次のとおりです。 ・トラック運賃部分の「固定費」8項目 ・トラック運賃部分の「変動費」6項目 ・待機や積み込み作業などの料金部分(燃料サーチャージ、フェリー利用料なども含む)7項目 合計で21項目です。 この21項目を「制度スタート時から入れるもの」と「更新申請が始まるタイミングから入れるもの」に分ける方法だ、 と記事は伝えています。 担当課も「入れない項目の分、適正原価の最低ラインが低くなる」と認めているそうです。 ここが一番大事なところではないでしょうか。 3.項目を後ろにずらすと、最低ラインはどうなるのか 少し噛み砕いてみましょう。 たとえば、ある費用項目が適正原価に入るのが、施行ではなく2年後になったとします。 その間も、トラックを動かすために必要な費用は発生し続けます。 ただし、制度上の適正原価にその費用が反映されなければ、算定される最低ラインには、その分が十分に反映されない可能性があります。 もちろん、制度に含まれていない費用だからといって、運賃交渉で主張できなくなるわけではありません。 しかし、制度上の基準と実際に必要な費用に差が生じれば、その差をどう説明し、荷主に理解してもらうのかという問題が残ります。 荷主から「まだ原価に入っていない項目ですよね」と言われたら、どう返せばよいのでしょうか。 現場で交渉する側の立場で考えると、ここは見過ごせません。 そして、1本目の記事でも書いた問い、 最低ラインが低い期間、足りない分のコストは誰が負担するのでしょうか。 を改めて危機感を持って問いかけないといけません。 運送会社が被るか、ドライバーの賃金や労働時間に跳ね返るか。 多くの場合、そのどちらかです。 「段階的」という言葉は、やわらかく聞こえます。 でも、その段階の途中を走っているのは、現場の運送会社とドライバーなんですよね。 4. そもそも、なぜ「原価」という名前なのか SNSでも言いましたが、 私は以前から「原価」という名前そのものを変えたほうがいいのではないか、と思っています。 なぜなら、適正原価が運賃の目標として受け止められてしまうからです。 原価とは、運ぶためにかかった費用のことです。 一方、 運賃とは、原価に加え、会社が事業を続けていくために必要なものまで含めて、荷主と運送会社が取引で決めるものです。 この2つは本来、別のものです。 実際に、適正原価有識者検討会では荷主側から「原価と運賃は区別してほしい」という声が上がっています。 この指摘、私はもっともだと思っています。 なぜって「原価」=コストだからです。 「原価」という名前があることで ・「原価さえ払えば運賃として十分」という受け止め方が広がる ・議論の中心がコストの内訳の細かい点検になり、事業を続けるための原資が見えなくなる ・「原価を下回らなければいい」が、【運賃の目標】のように扱われてしまう可能性がある 本来、適正原価は「これを下回ってはいけない最低ライン」のはずです。 目指す運賃の水準ではありません。 ですが「原価」という言葉でそこがぼやけてしまっている印象がすごくある。 「ギリギリ赤字にならないライン」と受け取られてしまうとドライバーの処遇改善という制度の目的から少しずつずれていってしまいます。 ただの名前だから、名称だから、ということで済ますにはリスクが大きすぎます。 制度がどう受け止められ、どう使われるかを左右するものです。 ただ、今回、記事を読むと「原価」という言葉は法律の条文そのものに入っています。 名称を変えるには、法律上の用語の扱いも含めて整理が必要になるはずです。 それでも段階的導入の議論が進むこのタイミングだからこそ、言葉の問題も一緒に考えてほしいと思っています。 5.省令で「時期をずらす」ことは、本当にできるのか 記事では、そもそも法的にそんなことができるのか、という点にも触れています。 2028年6月までに施行される貨物自動車運送事業法の改正部分に、第9条の2という条文があります。 要約すると、国交大臣は運賃や料金について、「通常必要と認められる費用であって国土交通省令で定めるもの」を的確に反映した原価を定めることができる、という内容です。 ここで出てくる「省令」とは、法律の細かい部分を、国交省の判断で定める決まりのことです。 この条文自体には、「段階的」という文言はありません。 ただ、記事によると、省令の中で、たとえば「オイル費は〇年□月から適正原価の費用として適用する」と名指しで定めれば、その項目を入れる時期を遅らせることは可能だとされています。 つまり、法律は変えずに、省令で段階をつくれる状況にある、という見立てです。 ここは、あくまで記事による見方です。 ※段階的導入は国交省の内部で検討している段階で、具体的な内容は決まっていません。今後の正式な内容を確認する必要があります。 また、今回の内部検討は、適正原価を議論している有識者検討会とは別のところで進んでいるとも書かれています。 検討会のテーマとして、項目ごとの段階的導入はまだ挙がっていないそうです。 どこで、誰が、どんな根拠で決めるのか。 その過程が見えることも、大切なのではないでしょうか。 5.SNSの「骨抜き」という声と、荷主側の事情 会見の直後から、SNSでは次のような反応があったと伝えられています。 「荷主側の主張に制度が骨抜きにされる」 私自身も同じ懸念を持っています。 大臣は「法律の猶予期間の設定は難しい」と述べています。 施行日そのものを遅らせるわけではない、ということです。 荷主側にも、急な変化に対応できない事情があることは、現実としてあると思います。 だからこそ見るべきなのは、「段階的」という言葉の中身です。 どの項目が、いつから入るのか。 最初に入る項目は、現場のコストの何割をカバーしているのか。 この中身次第で、「現実的な移行期間」にもなれば、「実質的な先送り」にもなりえます。 だからこそ、運送会社側も黙っているわけにはいかないのです。 6.段階より先に決めたい「物差し」の問題 今回の記事を読んで、もう一つ気になったことがあります。 段階的導入の議論の影に隠れていますが、算定式そのものにも課題がある、という点です。 国交省が検討会に示している算定式は、次のような考え方です。 ・「時間当たり固定費」や「キロ当たり変動費」は、大臣が定数として告示する ・「総稼働時間」や「総走行距離」は、トラック事業者が自分の運行について代入する の「代入」について、記事には気になる指摘が並んでいます。 走行距離を実際より短く代入すれば、適正原価が下がってしまう。 デジタコの数値を使うとしても、待機時間と休憩時間の区別といった操作で、適正原価が下がる可能性がある。 国交省は、時間や距離の決め方を「制度運用上の問題点」と認めた一方で、「制度設計の問題には含まれない」としているそうです。 さらに、デジタコから数値を引用するかどうかは、まだ未定だとのことです。 これは、正直者がバカを見る話になりかねません。 実際の運行どおりに正しく代入している会社の適正原価が高くなり、数字を低めに入れた会社の適正原価が低くなる。 そうなれば、同業者間の価格競争力に差が出てしまいます。 どんなに項目を積み上げても、そこに入れる数字が信用できなければ、物差しとしては機能しません。 段階的導入の議論と同じくらい、いえ、それ以上に、数字の客観性をどう担保するのかは重要ではないでしょうか。 ※実際にどの程度の影響が出るのかは、統計的な検証が必要です。 7.これから約4年間、運送会社に必要なこと 大臣は、施行までの約2年間と更新申請までの約2年間を使って、運賃交渉などに対応してほしいと述べました。 その言葉どおりに受け取るなら、この約4年間は、運送会社にとって「待つ期間」ではなく「準備する期間」になります。 私が必要だと思うことは、次の3つです。 ・自社の運行について、走行距離・稼働時間・待機時間・収受した運賃を、日々のデータとして残しておく ・適正原価の21項目と、自社の実際のコストを照らし合わせておく ・制度の中身が決まっていく過程を、見逃さずに追いかける 特に1つ目は、制度がどんな形に決まっても、荷主に説明するときの土台になります。 「うちの運行には、これだけの時間と費用がかかっている。だからこの金額が必要です」 そう数字で言える会社と、言えない会社。 その差は、これから確実に大きくなっていくのではないでしょうか。 まとめ 段階的導入は決まったわけではありません。 なんの段階的な導入なのか、もまだわかりません。 ただ、何かを段階的に導入する検討が始まったことは事実です。 「猶予」でも「骨抜き」でもなく、どんな中身で、誰のために設計されるのか。 その行方を、現場の目線でこれからも見ていきたいと思います。 現場の声が反映されない制度にするのではなく、 現場の声が反映される制度にするためにももっともっと議論が必要だと考えています。
こんにちは(´-ω-`) ライター橋本です。 10~2月の繁忙期を越えたはいいが、 今年はその後に超タイトな締切で 書籍の執筆が待っていたうえ (まだ全然終わっていない) そこにイラン情勢ドーンと来て 仕事量がえげつないことに。 結果、優しい人たちから順番に迷惑をかけ 他の原稿がなかなか書けないという 胸の痛い状況が続いていましたが 皆さんいかがお過ごしでしょうか ※ブルルさんごめんな(*´ω`) ということで 久々の更新になりました今回の話題は、 最近よく見聞きする 「ブルーカラー・ビリオネア」 なる言葉についてお話したいと思う。 書籍のタイトルも実は 「ブルーカラー・ビリオネアの幻想」 的な感じにしようかと思っているところです (あくまでも仮やが)。 ブルーカラー・ビリオネアとは 最近、よく報道や記事で このブルーカラー・ビリオネアという言葉を 見聞きするようになったと思います。 どんな感じで報じられているかというと、 ホワイトカラーの仕事が AIに代替されるようになり、 ホワイトカラーから AI代替の難しいブルーカラーへの転職が 注目されるようになってきている。 ブルーカラーは今、深刻な人手不足。 タクシーや電気工など、 年収1000万円越えが続出。 「ブルーカラー・ビリオネア」も夢ではない✨ といった感じです。 なぜか知りませんが、 この手の報道、今年に入ってから いや、この数週間でやたらと急増したんですね。 なかには 「ブルーカラーは中卒でいい」 という前提で報じる記事まで(詳細は後述)。 当初、 「報じる側にブルーがいないんだもんな。 そういう意見が出るのも仕方ないか」 と静観していたんですが ここ最近、あまりにも現場を無視したまま 数だけどんどん増えていく各報道に 不快感を覚えるように。 その不快感をもたらしている 「現場軽視」については のちほどお話するとして、 まず、 この「ブルーカラー・ビリオネア」 という言葉の意味について説明しておきます。 「ブルーカラー」は当事者の各位ならば すでにご存じだと思いますが、 要は 「作業服を着て仕事をする肉体労働者」 のことを指す言葉です。 これまで ブルーカラーの現場を取材する書き手として 「ブルーカラー」という言葉を 多用してきたんですが、 その度に 「『ブルーカラー』は差別用語だ」 「そんな差別用語使うライターはけしからん」 などという ワケの分からん指摘を 受けてきたことはさておき(´-ω-`) (てか、ブルーカラー・ビリオネア という言葉が出てきた後も彼らは 「それは差別用語だ」 と言い続けてるんでしょうかね…) よく誤解されるところとして、 このブルーカラーの「カラー」を 色(color)だと思っている人が多いんですが、 このカラー、 襟(えり:collar) という意味なんですね。 つまりブルーカラーは 「青色」ではなく「青い襟」という意味 になります。 次に「ビリオネア」ですが、 語源になっている「ビリオン」。 これ日本円に直すと どのくらいになるかご存じですか? 約1600億円 でっせ(´-ω-`) あの世界的超スーパースター 大谷翔平選手でも10年契約で約1000億円。 どれだけ現場をヨイショしたとしても、 これまでやれ「低賃金だ」と騒いでいた職業を 「1600億円稼げる仕事」なんて嘘は 付けません。 こういうところも 私がこの「ブルーカラー・ビリオネア」 なる言葉が 軽々しく使われていることに 悶々とするポイントの1つです。 誰もビリオネアになっていない怪 もう1つ、小さな悶々をお伝えしておくと、 このブルーカラー・ビリオネアという言葉は アメリカからやってきた言葉ですが、 そもそもな、 アメリカでも ブルーからのビリオネアは 存在しておりませんのよ。。。 言葉の発祥地である アメリカで実際に起きた アメリカンドリームの当事者のなかで 最も有名なのが 「ラリー・ジャネスキー」さん という方なんやが、 彼は18歳の時に 住宅リフォームなどの大工として仕事を始め、 会社を経営するようになった結果、 文字通り「ビリオネア」になった人です。 つまり、 労働者の時にビリオネアになったのではなく、 実業家になってからなんですね。 そして、 私が今回の報道で最も悶々したのは これまで散々 「3K」だ「底辺職」だ と現場を揶揄していた あるいは 見えない存在として押し込めていた世間が 「お、ブルー稼げるんだって?」 と、 手のひら返して「いい転職先」としたこと、 そして、何より 「ホワイトの俺たちならブルーへの転職は簡単だろ」 という安易な考えが見え透いていたから です。 各記事や報道では AI台頭に絡み、 「GAFAM」が人員削減や希望退職者を 募ったりする動きが見られる という話が紹介されています。 GAFAMとは、 G:Google(グーグル) A:Apple(アップル) F:Facebook(フェイスブック) A:Amazon(アマゾン) M:Microsoft(マイクロソフト) の超大手アメリアテック企業のこと。 それらが、 「AI台頭で人を切り始めた」という話が 最近よく報じられます。 ※そのうちの1つを紹介しておきます。 Microsoft・メタ8000人削減 米テック、人員よりAI投資優先(日経新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2400L0U6A420C2000000/ …でもな、でもですよ。 AI台頭によって人員整理された GAFAMの社員のなかで、 いったいどのくらいの人が 1000万円稼げるとび職や電気工に 転職したんでしょうか。 恐らくほぼゼロだと思いますよ。 一般的に、 労働者が転職する先は、 「同じ山にある別の川」 (=同業種の別企業) です。 しかも、GAFAMの場合、 「上流」にある 同程度の標高で「横移動」 するはずです。 AIが台頭したところで、 優秀なテック人材を欲している企業 はごまんとある。 何より彼らにとって 年収1000万円は「激安」です。 年収でいえばそれこそ 「ミリオネア(約1.6億円)」越えが うじゃうじゃいる世界。 「別の山の別の川の下流」 (別業種の別企業の低年収)に 誰が行くんでしょうか。 なので、最近の潮流というのは、 人手不足で否が応でも 現場の給料が上がっている現象を タクシードライバーやとび職には 絶対転職しないであろう AI台頭による人員削減の対象になった GAFAM社員のニュースに無理やり絡め、 アメリカですら起きていない 「ブルーカラー・ビリオネア」寓話を利用し、 「今ならホワイトカラーよりも ブルーカラーのほうが稼げますよ」 「ホワイトカラーから ブルーカラー行くのは簡単ですよ」 というミスリード・潜在的差別を 日本で広めたお話、 なわけです。 これが私が昨今の報道ラッシュに 悶々した理由です。 ホワイトカラーからの参入自体、 私は歓迎すべきことだと思います。 後述するように、 この業界は門戸が広いので ブルーやホワイトに限らず、 様々な属性の人が参画すべき業種だと思っています。 ホワイトがくることで この業界に詰まりに詰まった どうしようもない「古い商慣習」も 新陳代謝されることを望んでいます。 が、昨今の報道には そういった「ブルーカラー目線」の言及が 一切されず。 「現場がリスペクトされない報道」 は、世間に現場軽視を広める恐れがある。 そう感じています。 現場のなかには 「人がドカッと入って来るチャンスじゃないか」 と思う人もいるかもしれないですが、 目先の現象に喜ぶでなく、 視野を広げて見てみてほしいなと思います。 ブルーカラーは中卒でいのか もう1つ、 ある記事の一部が 「ブルーカラーは中卒でいい」 という前提でお話されていたので、 ここでブルーカラーの学歴について お話しておきましょう。 私自身、 ブルーカラーの労働問題を深部まで書くと 必ず触れることになるのが 「学歴」 です。 現場からも世間からもよく聞かれる 「ブルーカラーは中卒でもなれる」 「Fラン大学行くぐらいなら早く就職したほうがいい」 という言説ですが、私個人的には、 少し引っかかります。 私も、原則 「ブルーカラーに”学歴”はいらない」 と思っています。 が、この文は、 もっと噛み砕く必要がある。 私がブルーカラーに “学歴”はいらないと思っているのは まず、 ブルーカラーの最前線に必要な資本は 「腕」や「健康維持能力」であり、 最終学歴や 出た学校の名前ではないから です。 “学歴”というのは、 その学んできたものを手っ取り早く かつ客観的に提示するための 1つの手段・材料にすぎません。 そのたった1つの材料があるからといって 「人間全体の評価」ができるわけではない。 こだわりの卵を使っても パンケーキミックスが10年前に期限切れてたり 調理器具がなかったり、 そもそも作り方知らんかったりすれば(ワシやないかい) ケーキは作れんのです。 なのでこの論で言うと、 “学歴”が必要ないのは、 ホワイトカラーも同じです。 ホワイトの現場も同じく、 彼らに必要なのは、タスク処理能力であり、 学校の名前ではないですからね。 そして、ブルーカラーに “学歴”がいらないもう1つの理由。 それは、このブルーカラーという業界は 「門戸が広いから」 です。 実際、ブルーは 元研究者であれ、元犯罪者であれ 門戸を広く広く開けて 様々な人を受け入れてきました。 ホワイトカラーにはない多様性が 現場にはあります。 学歴がいい悪いで、人を選ぶような 狭い業界ではないんですよね。 それでも行けるなら大学は行った方がいい理由 が、誤解してはいけないのは、 ブルーであれホワイトであれ、失業者であれ 「“学び”と、“その学びに費やす時間”」は 絶対的に必要だということです。 世間では何をもって Fランと言っているのかは知らんですが、 そういう意味では、 私は学校は行けるならば 行けるところまで行ったったほうがいい と思っています。 どんな学校でも。 中学よりも高校、 高校よりも専門・大学、 大学より大学院。 ランクや時期に関係なく。 私自身、いろんな学校に行き (日本語学校ではあれど) 「先生」という立場にもなってみて、 各々でしか感じられない 学びがあった・あると強く感じています。 なかでも高校までよりも大きい学びになったのは、 専門知識と同じくらいの 「コミュニケーション能力」と「視野」 です。 大学などでは、 中学・高校では出会わない 地方や海外から来た様々な人と話をしたり、 意見をぶつけ合って議論したり、 時にケンカしたりすることで、 社会に出る前に 知らない他人の常識、 そして自分の中にあった非常識 を知ることができる 貴重な時間を過ごせると思っている。 このコミュニケーション能力と広い視野は、 ホワイトカラーでもブルーカラーでも あった分だけ得をすると感じます。 当然、 私が得たコミュニケーション能力や視野なんざ 私以上に学びを深めた人たちに比べりゃ 屁のツッパリにもなりませんが、 それでも小学校より中学、 中学より高校では得られなかった 大きなものがあると思っています。 一方、先述したように、 現場に必要なのは「腕」や「健康維持能力」ですし、 なかには 「コミュニケーション能力なんて必要ない」 という方もいらっしゃるかもしれません。 ブルーカラーにおいては、 人と会話をする機会も比較的少ないです。 でも。 でもですよ。 現実は このコミュニケーション能力は 環境のいいブルーカラーの企業であればあるほど 必要だったりします。 先日運送事業者(企業)向けにとった アンケートで、 「転職してくる人の何を見て採用を決めるか」 という設問を立てました(複数回答可)。 まだアンケートは実施中なので 結果は変わる可能性はありますが、 それでもなんと、 「資格・経験」の次に多かったのは 「話し方」 でした。 ひとつここで指摘しておくべきは、 人間が普段取っている 「コミュニケーション」というのは、 話す内容のことだけではない ということ。 コミュニケーションは、 ボーっと突っ立ってる時の姿含め、 相手が見る「態度」「顔の表情」など 全部ひっくるめたものの総称 なんだと思うんですよね。 それほど会話する必要のない ブルーカラーの現場でも そこに存在している姿や表情、しぐさだけで、 人は勝手に人と コミュニケーションを取っています。 その無意識なコミュニケーションを学ぶには、 やはり 「(自分にないものをもっている)人との出会い」 なんじゃないかな。 よく日本の大学は 「人生の夏休み」と揶揄されますが、 私はどちらかというと、 「人生の自由研究期間」だと思っています (本来は勉強に明け暮れるべきなのは前提として)。 その自由研究のテーマとして 他人の言動を観察し、 視野を広げることに没頭できる期間 なんだと思います。 そして、人生で一番失敗できる時期でもある。 高校時代の失敗は笑ってくれる。 大学時代の失敗は叱ってくれる。 が、社会人の失敗は叱ってくれることすらない。 そういう上では、 「ガッツリ学生」と「ガッツリ社会人」 のつなぎの期間として、大学は ランクに関係なく 観察する時間も失敗する時間も たっぷりとれる期間なんだと思う。 というか、 観察・失敗するための期間が たまたま「大学在学の期間」にあたる という認識の方が、 「大学は行けるならいったほうがいい」 の真意に近いです。 当然、 中学や高校からでも コミュニケーション能力は身に付きます。 実際、twitterでいつも冗談言い合う人の中に ライターでも嫉妬するくらい コミュニケーション能力が高い あるトラックドライバーさんがいます。 中卒は中卒で、 高卒は高卒で、 専門卒は専門卒で 大学に行かなかったからこそ得られた コミュニケーション能力もあるはず。 実際、うちのオトン中卒ですが、 彼のコミュニケーションお化けっぷり見ると 改めてそう思います。 現場にも大学と同じように 自分にはない価値観を持った人が たくさんいるわけですからね。 それに何より、当然のことながら、 たとえ大学に行っても コミュニケーション能力が低く 視野の狭い人も たくさんいます。 繰り返しになりますが、 学校に行かなくても コミュニケーション能力が高い人も 非常に多いです。 が、その能力を失敗から得られる機会は やはり学校にいる時の方が多いんだと思う。 そして、 色んな人が集まる学校で 色んな味をしみこませたうえで 社会に出るのと、 まっさらな状態で 「自分が就職した会社に味つけを“してもらう”」 という違いもあるのかもなと思う。 しみこませた味が会社だけになると、 よほど「自分」という芯をもっていないと 会社や権力に流されてしまう。 そうすると、 転職する時に結構苦労してしまうんですよね。 実際、私の工場には、 そういう人たちが少なくありませんでした。 うちの会社の常識が、 他の会社の非常識、というケースは たくさんあるのでね。 なんや「人間形成」的な観点から ばかりお話してきましたが、 専門知識を得るという意味でも ブルーだって大学行っていたほうが 外的知識は当然増えます。 体が資本ならば、 保健体育系の大学・学部に行けば 健康に業務を遂行できるための 知識を得られるかもしれない。 経済系の知識が少しあれば、 今自分が作っているもの、 運んでいるものを より主体的に感じ取れるかもしれない。 こうした「外的知識」はあって損はないと 私は思っています。 再びの登場「リスキリング」 今回の報道や盛り上がりによって、 世間には 「ホワイトからブルーへの転職は楽勝」 という潜在的な現場軽視があると 改めて思い知らされたんですが、 私はそんな一方通行ではなく 「ブルーからホワイトに行く道もあるべき」 と強く強く感じています。 ホワイトがブルーに転職するのは 「楽勝」と思っているのに、 ブルーがホワイトに転職する門戸は狭い という現在の社会構造。 これが解消されない限り、 「ブルーカラー・ビリオネア」 という言葉への違和感はぬぐえないと 個人的には思うのです。 最後に。 これを読んでくれている人には こう思っている方も少なくないはずです。 「おい、橋本。 50代中・高卒の俺に向かって 『大学は行っといた方がいい』とか バカにしてんのか。 もう遅いじゃねえか。 学歴差別だろ」 いいえ、そんなことありません。 アレですアレ。 このブルルさんでは 過去に何度も出てきています 「リスキリング」 です。 何度も言うように、 現場には“学歴”は必要ないんです。 必要なのは何度も言うように、 「学びと学びに費やす時間」。 学び始めるのに 年齢なんて関係ないですからね。 いや、 大人になってからの学びこそ、 自分をより成長させる要素になると思う。 自分自身の「社会的価値」が分かったうえで リスキリングするのって、 学生と社会人の間の「大学期間」で学ぶ以上に 大きなものを得られると思っています。 学びは自分の好きな趣味、 現場で求められている知識など なんでもいいと思います。 とにかく自分の時間を増やし、 学べる時間を増やす努力をしてほしいなと 現場の人たちには思います。 なんや気が付いたら長文になってしまいましたが… なかには、経済的な事情で 「高校・大学に行きたくても行けなかった人」 もいるかと思う。 だからこそ、 大学まで学費いらない、ってなるといいと 心の底から思っている(*´ω`) 学びたい人に障壁なんてあったらあかん。 労働時間を少しでも短く・楽にして、 「自分」に投資できる時間ができる社会に できるといいなと思っている次第であります。 大学まで無償になるといいよな‥‥ボソ ということで今回はこれにて。 最後まで読んでくれてありがとうございました。 また次回なv
こんばんは、たこぱいそんです! まだ汗ばむ日がありますが、今年はちゃんと秋という季節が長く感じられそうで嬉しいです。 なんだか最近は夏から急に冬になるような気温変化ばかりだった気がするので…… さて、今回の31話は曜日感覚のお話。 配車係さんが予定を組む時は未来の予定を言われて、それを元に未来の予定を立てるわけですから違う曜日のことを扱う訳ですよね。それが忙しくなってくるともはや今が何曜日なのかわからなくなることも多いんじゃないかと思います。 さすがに間違って出勤まではいくことは珍しい気はしますが……! かくいう私も、曜日感覚じゃないですが年感覚がおかしくなることはよくあります。 仕事上、どうしても来年や下手したら再来年なんかの情報を扱う時もあるので、何かの拍子に「あれ?今何年だ……?」みたいにタイムスリップしてきた人のセリフを言ってしまうことがありますね…… 曜日感覚も年の感覚も失わないよう生活していきたいですね…… 時の現在地を毎日把握するようにしよう…… 引き続き、物流業界にかかわるすべての皆様からのエピソードを募集しております! エピソードをお持ちの方はぜひ、Xアカウント「『ブルル』スタッフnaomi」さんまでリプライやDMでお寄せください! 街にハロウィンの気配が強くなってくるとそろそろ年末の足音が聴こえてくる気がしますね。 1年、早いなぁ…… 次回更新は11/25の予定になります。 また来月!
👑エントリーNo.42👑 【JL熊本(熊本輸送団地協同組合)】 株式会社AZUMA 組合員企業の魅力を発...
2022年9月に三菱ふそうトラック・バスが「eキャンター」のラインナップを拡充し、国内でニーズの高かったショート&ナローボディ(GVW5トン)やロング&スーパーワイド(同8トン)まで合計28車種を展開するようになった。 ●注目される商用車の電動化 電動トラックについては、三菱ふそう以外に、日野自動車、いすゞ自動車なども小型EVトラックの市販を発表している。軽トラックについては、ホンダ、スズキ、ダイハツもこぞって軽規格のEVバンを市場投入しようとしている。グローバルで求められているカーボンニュートラルは、あらゆる産業のサプライチェーン全体で進める必要がある。これには工場の操業に必要な電力や物流にかかわるエネルギー全般にも適用される。商用車のEV化が注目を集めるのはこのような理由がある。 一般道ではまだEVトラックを見かけることは稀だが、商用車とEVの相性はむしろ乗用車よりもよい。海外ではテスラが大型のEVトレーラーヘッド(トラクタ)「SEMI」の市販を23年には開始するといい、ダイムラーも大型EVトラック「eアクトロス ロングホール」を22年のIAAトランスポーテーション2022(商用車のモーターショー)で発表し23年には実際の顧客のもとでフィールドテスト行うとしている。 日野のデュトロBEVはヤマト運輸が500台の導入を発表している。現在もこのプロジェクトは特段の変更なく進行中だ。ディーゼルエンジン問題で揺れる日野自動車だが、EVはその影響を受けていない。現状、ビジネスとしては大きくないが、EVやゼロエミッションは環境問題へのリスク分散の意味も持つ。 三菱ふそうは、2010年ごろからキャンターのEV化を独自に開発していた。その後プロトタイプ発表、グローバルでの実証実験、2017年にはeキャンターの量産・市販を開始している。同社はダイムラーグループの一員として、小型トラックの電動化開発を担う存在でもある。だが、課題がないわけではない。ひとつは車両ラインナップが少ないこと。もうひとつはEVを複数台で運用する場合の拠点・目的地他での充電インフラだ。 ●車種展開は着実に増えている 現在市販されているeキャンターは、GVWで7.5トン、ワイドボディの1車種しか選べなかった。9月の発表では、バッテリーパックを改良し、その搭載個数によってS(41kWh×1)、M(41kWh×2:83kWh )、L(41kWh ×3:124kWh)の3パターンが用意された。ボディサイズは、標準幅、広幅、拡幅が選べる。ホイールベースは2500mm、2800mm、3400mm、3850mm、47590mmの5種類だ。積載量は2トン、3トン、3.5トンがボディサイズに応じて設定された。保冷車やクレーン、ローダーなど架装をしやすいように電動のPTOが装備された。 日本のラストマイル輸送や近距離の拠点間輸送では、ボディサイズ要件は重要だ。住宅地や細い路地などにも入っていく必要がある。Sバッテリーを搭載した標準幅、ショートホイールベースのeキャンターはこのニーズにこたえることができる。住宅地を巡回しなければならない塵芥車や宅配便のトラックへの応用が広がる。 衝突被害軽減のための自動ブレーキ、レーン逸脱防止、ドライバーの集中度(疲れ、健康問題)を認識して警告や休憩を促すメッセージ機能、左折(運転席と反対側)時の巻き込み防止のためのレーダーセンサーと警報システムなど、ADAS機能も市販乗用車とそん色がない。ステアリングコラムのレバーで回生ブレーキを4段階で切り替えることも可能になった。これはエンジントラックの排気ブレーキの代わりとして使える。巻き込み防止のレーダーとレバー式の回生ブレーキは、ドライバーにとってうれしい機能だ。 ●充電インフラ問題への対応方法 充電インフラについては、三菱ふそうでは6kWhのAC普通充電器の設置を事業所や拠点に整備することを勧めている。ルート配送やラストマイル輸送では、移動中のDC急速充電は緊急避難的な措置とし、AC普通充電を前提に考える。AC普通充電器は、キュービクルの設置や管理責任者の常駐は不要で、ほぼコンセントを増設する感覚で設置することができる。 1台、2台といった少数での運用なら充電口は1個か2個あれば問題にはなりにくい。AC普通充電器の設置は簡単な工事なので、口数を増やすのは難しくない。だが、充電口がマルチポート化しても、全部が定格出力で充電できるかどうかは、契約電力や配電設備による。今後EVトラックの比率が上がるとすると、充電口の必要数と、契約電力とのバランスが難しくなる。 状況によっては、経路上のDC急速充電を組み込んだロジスティックを考えたり、拠点やトラックターミナルでの充電インフラの整備が必要となるだろう。1台ごとの稼働率が高く充電時間を確保しにくい場合は、複数台のローテーションを工夫するか、交換式のバッテリーパックという手段を検討することになる。交換式バッテリーのEVは、中国NIOが乗用車で実用化している。バイクや小型モビリティ向けではあるが、ホンダは交換式バッテリーのエコシステムを作ろうとしている。 EVの充電インフラ問題では、メーカーが販社に急速充電器の設置を進めている。車両販売のサポートとして、普通充電設備の設置支援やサービスメニューを用意するメーカー、販社の取り組みも始まっている。充電設備や機器を相談できる企業も少しずつ増えている。 倉庫のトラックバースや事業所にマルチポートのAC普通充電を整備するとき、設定した契約電力内で、各ポートの出力を調整してくれるソリューションもある。充電インフラは、国や行政による政策支援が不可欠だ。EV向け急速充電器への助成、設置基準の緩和・法整備を期待したい。
もういくつ寝ると〜 そろそろ仕事納めの方も多いんじゃないでしょうか。 おはようございます!naomiです。 今年のブルルゼミは28日までということで、こちらも本日投稿していきます。 クリスマスシリーズで労基法です。 そして今年最後の投稿はこちら ご運行がまだおありの皆さんはご安全に。 仕事納めの皆さんはごゆっくりなさってくださいね。 皆さん良いお年を〜!また来年もよろしくお願いいたします!
【トラ子の一配一会】資格だけでは測れない。物流現場が外国人材に求める「実践的スキル」の正体
仕事はしんどいもの だからそれに応じたお給料が貰える 働きやすさとラクな仕事は決してイコールでは無いと思います 国はそれをイコールにしようとしてるとしか思えないです 昭和的な考えかもしれないけど このままじゃいけない気がしてます
【トラ子の一配一会】正直者がバカを見る運送業界を、どう変える?
こんちは! 中々、深い問題提起ですね まず、見積もり出すときに 一緒に運行計画も出すと 高速代は実費分貰えることが 多いです。 積み終わりで、ここで休息取って この時間に運行するのでと 説明がつくかと思われます。 あと、原価ですが自社の原価計算は 各社経費が違うのでバラつくのでは? 原価計算叩いて、合わなければ やらなきゃいいだけの話ですよ。 ちょっとザクっとコメントしちゃいました。すみません。
【トラ子の一配一会】『帰り荷』なんて存在しない。トラック運送業の『適正原価』を現場から考える
コメントありがとうございます! 運送業は点と点をいかに線にして継続できるかがこれからの課題かなと思っています。 だからコメントをいただいた内容、とっても嬉しかったです! 御社の取り組み、本当にすごいです!! 5~15%の賃金UP、なかなかできることじゃないと思います。 ほんまにすごいです! モデルケースとして発信してもらいたいです!!
【トラ子の一配一会】『帰り荷』なんて存在しない。トラック運送業の『適正原価』を現場から考える
素晴らしい内容です。 短絡的な発想ばかりではなく継続的な発想を提唱されており 行政各所より現場実態に沿った内容で指示させていただきます。 ちなみに弊社は運賃値上げで運転手の給料を3年連続5%~15%upして雇用確保しております。
北谷交差点 - 北谷町字北谷在
那覇向けの国道58号に入ってくる車は、何か勘違いなさっている方がいるようです。あくまで、国道58号線が優先です。譲り合いは、大切ですが、どこの車線が優先道路なのかを考えて運転してください。とても怖い思いをしました。