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  • 橋本愛喜にも言わせて

    第5回「車内ドライブレコーダーとAV」

    2024年9月2日

     

      こんにちは、橋本環奈です
    (広い心で許してしてください)。   8月、トラックドライバーにとっては 胸や耳が痛む報道があったかと思います。     5月に群馬県伊勢崎市国道17号線で起きた トラックによる衝突事故が実は飲酒運転だったと。     遺族にとっては今後、 トラック見るのも嫌でしょうね。     ちなみに、 2021年千葉県八街市で起きた トラック飲酒事故で亡くなった子のお父さんは トラックドライバーだったそうです。     普段ご自身が乗っているクルマに 我が子の命が奪われた。 お父さんはその後仕事に復帰できず、 トラックを降りたそうです。     こういうことを繰り返したくない。 そんな思いで酒に対して言及すると、     「俺は飲酒運転しないように徹底してるんだ」 「しつこい」 「偉そうに指図するな」     と、ものすごい数の人たちが言ってくる。   そんな声に触れるたび、 「これだけ言っても 人が死ぬ事故をトラックが起こし続けてるのに、 自分事と考えられない無神経さは何なんや」、 と怒りの感情がこみ上げます。     この業界、 「俺は俺は」さんが多いというのは以前にも話したが、   私は「あなた」だけに言ってるのではなく 86万人のドライバーに言っていると 理解しておいてほしいし、   何よりもその「俺は大丈夫」こそ 酒に執着する第一歩です。   事故を起こしたドライバーも、 最初は1杯の酒からだったはず。 「俺は大丈夫」と言っていたはず。     「しつこい」言われても、 私はドライバーが酒に執着するまで 彼らに執着し言い続けるど。  

    今日は酒の話じゃないよ

    ということで第5回目、 このタイミングなのでほんまはしっかり 「酒」 について再度書きたいところやが、   あまりにもドライバーに対する 「これやっちゃあかん」が続けるのも 本意ではないので、 また酒問題はじっくり後日書くとして。     今回は「車内ドライブレコーダー義務化の是非」 についてお話していきたいと思います。     最近物忘れが激しくなったのか、 書く媒体が増えすぎたからなのか、 「…あれ、このネタ前ここで書いたっけ」 みたいなのがよく起きる(笑)     今確認したら どうやらブルルさんでは書いていないみたいなので、 お話していきますが(笑)←このくだり何w     先日、Twitterでこんなアンケートを取りました。     「車内用のドライブレコーダーの義務化、賛成?反対?」     ご協力くださった皆さんありがとうございますな! で、結果なんですが、こちら。       おおおちょっと待て。 賛成が結構いらっしゃり、約40%もいるやないか……     めっちゃ意外でした。 いても20%くらいなんじゃないかなと思っていた。     正直、私も元々はどちらかというと反対の立場ではありました。   某トラックショーでも(某の意味w)、 複数のドラレコ開発企業が自社製品を紹介してたんやが、 なんとなくピンと来なかった。     というのも、 私も車内のなかで色々人に言えないことをひとりごちたり、 歌うたったり泣きわめいたり鼻ほじったりもしたので、 その頃のことを考えると「賛成」とはなかなかならず。     ただ、40%の賛成さんたちからの理由を改めて聞いて、 やっぱ必要なのかもなと思うに至った。 その多くの理由はこれ。   「何かあった時に自分の身を守ってくれるから」   車外における映像証拠は、 他のクルマのドラレコも捉えている可能性もあるけども、 車内の様子はどうしても自分側で残しておかないと 誰も味方になってくれないんですよね。     立場の弱いトラックドライバー、   「脇見をしていたんじゃないか」   と事故った相手や会社に疑われても 「していない」と立証できずに 責任を全て取らされる、という事態は避けられる。   これはやはりデカいと思います。  

    AVを流すドライバーたち

      一方、反対派の意見で最も多かったのはやはり   「プライバシーが保たれない」 という点でした。     そらそうや。 トラックドライバーの仕事を選んだ人の理由のトップは 「『ひとりで』かつ『気ままに』仕事ができるから」。   それがこのドラレコ装着によって どちらとも脅かされること考えると、 ドライバーは嫌がるだろうなと思うんですよね。     なかにはどうやって知ったのか   「運管が暇なときに見ている」 「面白がっているのを聞いた」   との意見もあったり。     あと、 この反対派の声でふと思い出したのが、 以前、書籍の執筆でドライバーに取材した時の話。     第1子『トラックドライバーにも言わせて』(新潮新書) を執筆する際、     「眠気をどうやって解消していますか?」   なるアンケートを取ったんやが、 その時の答えに 「AVの音を流している」 という人が複数いて。     私が女性だからなんやろうが、 下ネタ系の話は皆さん おちゃらけてお話されること多いんやが、   私は結構これあるのかもしれないなと 真面目に受け取ったんすよね。     人間の三大欲求である 「睡眠」を打ち任すには、 やはりそのうちの 「食欲」や「性欲」をもってくるしかない。     めちゃくちゃ理にかなっている話やと思うし、 それで事故を起こさないなら 私は全然アリやとも思っているわけです (いや興奮して事故る、って声もあったのは置いておいてなw)。   それを、音声付きで記録されてたらやっぱ嫌よな…  

    自由には責任が伴う

        ただ、今回のアンケートで分かったのは、   38%近くのトラックには すでにドラレコが付いてる   そして   数が多いのは ドラレコ付けたうえで賛成してる人と ドラレコ付けてないで反対してる人     ということ。   これによって何が類推されるかというと、     「付けたらその良さが分かる」   ということなんですね。 やっぱり     「有事の際には、やっぱ強力な味方になる」     というのは、 安全運転をしているドライバーにとっては デカいと思います。     なので今後、この車内ドラレコは 休憩中は電源を切る、 有事以外は会社側で見られないようにする     といった配慮もしっかりしつつ、 普及していくべきなんだろうなと感じてます。     先日記事を公開した 「アルコールインターロック」もそうですが、 ドライバーの多様性を認めていくならば、 むしろこうした縛りも必要になると感じる。     自由には、不自由以上に大きな「責任」が生じるということを 認識する必要があるんだと思います。
     
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