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配車女子 とら子の「一配一会」
運送業とホスピタリティっていう話
2019年11月14日
ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが先日ヤマト運輸の関西ゲートウェイに見学にいってきました。
大阪府茨木市にあります。
神戸から車で行ったんですが、迷わずすぐ行けました。ええ、なぜなら運送会社のセンターだから!!!!!!!
運送会社のセンターは高速の降り口付近に作られるっていうのをしっかり体現されているセンターでした。
この方向音痴の私でも行けたんだからすごい!この見学は80分間の無料見学になるんですが、ガイドさんが2人もついてくれる素晴らしい見学でした。
ヤマトさんの歴史を動画で見て、それから完全無人の仕分け作業を見ることができます。私は見学スタートの時点でヤマトさんの本気を実感しました。
何の本気か、って
運送業からの脱却を狙う本気です。トヨタ自動車が「車屋を辞める!」と宣言したのに同じく、
ヤマト運輸は「運送屋を辞める!」と宣言しているんじゃないかと実感したんですね。トヨタ自動車は目的地まで車で行くまでのサービス、MaaSの提案をしています。
ヤマト運輸は目的地まで荷物を届け先のお客様の希望に合わせて配達するサービスを提案していると思いました。
ヤマトさんはこれを「バリューネットワーキング構想」と呼んでいます。つまり、トラックで届けるだけじゃなく
届けるまでに「修理」「洗浄」「印刷」「通関」などの付加価値を付けていこうとされているんですね。
その先駆けが「センターの無料見学」と「ガイドさん」だと思ったわけです。ガイドさんはホテルのコンシェルジュさんみたいな方をイメージしてもらえるとわかりやすいかと。
運送会社の見学なのに、運送会社を感じさせない戦略が素晴らしかった。
ガイドさんの的確な案内と目の前に広がる無人で清潔な物流インフラが物語っていました。私はいろんなセンターに行きますが、清潔感は高くないんですよね。
だけど、関西ゲートウェイはそうじゃなかった。
ガラス越しに見えるフランス製のベルトコンベアは的確な動きをし、USJのアトラクションのような雰囲気。
レーザーとスキャンによって荷物を丁寧に仕分けする作業もムダがない。2階だったこともあって床が汚れているとかも気にならない。
見せ方が上手だなぁと思いました。そして、映像と実際の現場をつなげる案内の誘導も運送業には見られないやり方だな、と。
見学コースの途中で大きなスクリーンを通して実際見られない場所の映像を目の前で動いている荷物と連動してくれたりするので「なるほど!」が多くなってわかった気になれるんです。
これは人間の満足度を高めるのにとても効果的。
見学が終わってトラックを見ながら「ああ、あのトラックの中にはあのべルコンで仕分けされた荷物が載ってるんだろうな」とイメージが楽々にできる。
ドヤ顔でいろんな人に説明できちゃうかも!って思わせるのは素晴らしい戦略だと思いました。今回の見学でヤマトさんさすがやな、って思ったのは
それは、ヤマトさんは自社の品質の良さやトラックの性能の良さよりも運送業でどこまでできるのか挑戦している姿を見せている点。
我々中小企業は目先の仕事に追われがちで会社のこれからだったりを俯瞰することが難しかったりします。
だけど、ヤマトさんはそうじゃなかった。
やっぱり大手さんだから、と言われればそこまでなんですが
それは大手じゃなくてもできることなんですよね。それを学ばせてもらったことが何よりの収穫でした。
私たちは目の前の仕事も大切にこなさないといけないけど、会社をこれからどんな姿にしていきたいかも考えないといけないんだ、ということを学ばせてもらいました。「大手さんだから」は言い訳で、中小企業でも零細企業でもやればできる。
だってヤマトさんも元々大手じゃなかったんだから。
ビジネスのその時その時にどうすれば一番お客さんが喜んでくれるかを考え、自分たちが大きくなるかも考えた結果が今なんだと思います。帰りにはお土産までいただいちゃって、ほんとホスピタリティ高い見学でした。
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プロフィール
とら子
トラック運転できないAT限定免許配車マン。
トラックは街の風景だと思って過ごしてきた学生時代。 けど今はドライバーさんのおかげでご飯食べれています。
配車はドライバーさんと荷主の緩衝材。 目の前の利益より損して得取れ精神で配車係やらせてもらってます。 -
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