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    店着価格制とは?

     

    2024年9月9日 2024年問題

     
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    「はーい、じゃこのパレットに積んでね」
    「検品してね」
    「棚まで入れてね」
    っていうこの一連の流れは運送業の過当競争の結果って思われがちやけど実は【店着価格制】が原因です。
    店着価格制とは何か。
    どうして運送会社の運賃交渉はうまくいかないのか。
    ちょっとまとめてみました。

    店着価格制とは?

     
    物流費までコミコミの卸値で取引するのが【店着価格制】。
    そしてその卸値は内訳の変動分を考慮しない。
    何より、卸値なので決めるのはメーカーと小売業だけ。
    運送業はそこに全く関与していません。
    尚且つ、この店着価格制は取引契約ではなく慣行なだけ。
    ぶっちゃけ、正式に文書化もされていないあいまいな状態で「昔からやってるしええやろ」っていうふんわりした感じで進められている日本独自の取引実態です。
    実は前のブログでもこの件について書いたんですが、あれからも色々と調べていくとやっぱりこの「店着価格制」はおかしい、運送会社の運賃交渉がことごとくうまくいっていないのももしかしたらこれが原因じゃないか?という気持ちが芽生えてきまして、再度取り上げていこうと思ったところです。

    店着価格制で見えてくる荷役負担

     

    そもそも店着価格制が日本で増えた理由は「問屋」の存在が大きかったんですね。

     

    問屋というのは「品揃え、物流、金融を一社でトータル提供する」中間流通を指します。

    そして日本でこの問屋は江戸時代から現在まで続く日本を代表する企業体。

    この問屋があったからこそ日本の流通は発展してきた、と言っても過言ではないとも言われています。

     

    なぜなら、問屋が間に入れば納品から代金回収までの金融は全て問屋がまなかってくれたし、問屋の営業担当は、店のバックヤードまで物流費込みの価格(これが店着価格)で小売業のバイヤーと仕入れ値の取引交渉を行うだけ。つまり、小売業はお店だけ準備すれば問屋が整備してくれた内容で事業を始めることができたという経緯があります。

     

     

    問屋が整備した商環境の中にすでに「店着価格」は存在していて、小売業が成長して大企業になった今でも古くからの慣行がずーっと続いているというのが今の日本の現状です。

     

    店のバックヤードまでの物流費、と書きましたが、

    今の時代では物流センターの納品に対する物流費も同じ扱いになっているのが現代です。

     

    具体的には、ドライバーさんが庫内への格納までする、棚入れを行う、リフト作業をする、などなど、現在問題になっている「付帯作業」が含まれているわけです。

     

     

    一番最初に書いた、店着価格制が原因と言った理由です。

     

    運送会社も顧客であるメーカーや卸業者から「ここまでできるか?」と言われて「できる」と言ってしまった過去は確かにある。

    だけど、もともとがそういう取引なので口出しできなかった。

    ただ、店着価格制取引を行っていない顧客に対しても付帯作業をやりますよ、と提案してきたのかもしれない

    競合他社との差別化を「顧客が求めていない範疇」まで広げてしまった結果かもしれない。

     

     

    でもその基盤には江戸時代から続く問屋制、問屋制に付随する店着価格制が今の運送業を含む産業のカタチを作ってきたことは否めないと思っています。

     

     

    現状を変えるために必要なこと

     

    正直、今のまま商取引が進めば現状はもっと悪くなると思っています。

     

    コンプライアンスとかグローバル化とか言われてる中で「契約」ですらない商取引を行っているんだから対外的に見ても日本について肌感でわかってないと取引ができないですし、

     

    国内的にも運送業の疲弊は2024年問題で周知されてきていのでこのタイミングで運送業界以外も変えられる部分から変えていく必要があると思っています。

     

    現状を変えるために必要なことは

     

    ①商取引慣行を文書化する

     

    ②文書化したら取引を「契約」体系にする

     

    ③物流費の計算は運送業側に一任する

     

    ④担当者が退職、不在で根拠がわからなくなった物流費を再度計算する

     

    ⑤インコタームズの導入も考えてみる

     

     

    DX導入する前にここからやればいいのに、と思って仕方がありません。

     

     

    まとめ

     

    私はずっとDXよりもやらなあかんことがもっとあるだろうが、と思っていたんですが最近になってそれがようやく見えてきて言葉にできるようになりました。

     

    運賃交渉のためにめちゃくちゃ資料も準備して原価計算もしてるのにどうして交渉が決裂するんだろう、って疑問でしたし、私だけじゃなくて運送業が適正運賃を収受できていないのはどうしてだろうとずっと不思議でした。

     

    私たち運送業は「契約書の書面化」だったり「協力会社名簿の作成」だったりと様々な文書化を求められるのに、もともとの商取引自体が契約じゃなくて慣行でやっている矛盾。

     

    これじゃ交渉も進まないのがよくわかります。

     

     

    せめて商取引は慣行から契約、文書化してもらいたい。

    そこからが本当の運賃交渉のスタートになると思います。

     

    【参考記事】

    物流2024年問題と「商取引慣行」の改革

    わが国商慣習の「店着価格制」の改善に関する一考察

     

     
     
     
     
     

    コメント

    匿名ドライバー より:

    運賃が安いのに、付帯業務は無償でやるのがいけない。
    倍料金が貰えるならやっても良いかも!

    trako_user より:

    付帯業務分も請求できるような環境に整えていく必要がありますよね!

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