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  • 配車女子 とら子の「一配一会」

    2024年も後半戦に入って思う事・・・・

     

    2024年9月20日 New
    2024年問題 とら子独り言

     
    • 紫 ピンク ポップ ライブ配信 Youtube サムネイル (4)

    運賃安すぎ!と思う時、大体荷物の中身は「日常スーパーで買う物」だったりする。お菓子とか飲料とか。

     

     

    明確な根拠はないが、運賃を上げるとスーパーで買う単価が上がるじゃないか!と言われる。

    そうするとお店側は誰も買ってくれないじゃないか!お客様の購買意欲を下げるな!と言われる。うん、そう思う気持ちはわかる。実際そうなのかもしれない。

     

    だから我々のような運送会社が運賃を上げることは非常に難しい。

     

     

    それなのにメーカー各社は「物流費の高騰で値上げします」と言い続け、値上げは止まらない。

     

     

    どこの物流費が高騰したのかはっきり教えていただきたいところである。(実際、私は物流費の高騰について調べたことがある。高騰したのはウクライナとロシアの戦争が始まったころの航空費だけだった)店着価格制慣行もある中、どこの物流費が上がって価格改定になったんですか?教えて、有識者の皆様。

     

     

    運賃を上げる=罪悪感になっていないか?

     

    運賃を上げることはバタフライエフェクトになり、様々な影響を色んな人にもたらす。

     

     

    消費者、小売店、そしてメーカー各社それぞれに影響を及ぼすことになる。

     

    だけど、大事なことは

     

     

    運賃を上げる行為が誰かにとって悪影響になっているわけではない、ということだ。

    前述のスーパーの例で見れば購買意欲を上げるのは運送業の仕事ではない。

    運送業の仕事は「安心・安全に荷物を届けること」だけだ。そのために必要な経費を交渉する、という仕事をしているだけなので購買意欲を上げるのは私たちじゃなくてあなた方ですよ、という話。

     

     

    運送業界に長年勤めてきて思うことは、運送業は「誰かの責任まで負おうとしてしまうこと」が非常に多い。

     

    前述したように「お客さんが買ってくれなくなったらどうするんだ!」と言われたら本来の希望額よりも減額して交渉してしまいがちだ。

     

     

    実際に聞き取りをして上記のような経験がないか数値化したっていいと思う。

    それくらい自社のことだけじゃなくお客様に寄り添っているのが運送会社である。

     

     

    運賃を上げることは決して悪い事ではない。

     

    日本特有の価値観で「お金」の話はできるだけ避けよう、という風潮があるがこれだけ多様性とかグローバルが叫ばれ、ビジネスも成熟し、ソフト面での国境がどんどんなくなっている現代においてその「奥ゆかしさ」は不要。

     

     

    しっかり自分たちの希望額を伝える必要がある。

    なぜなら、運送会社が儲からない荷物は近い将来運んでもらえなくなる商品になり、お客様に買ってもらえないモノになってしまうからだ。

     

     

    正直な話、今、運賃を上げない選択をしている運送会社は「今」しか見ていないと思っている。

     

     

    運賃を上げることは「将来的に」「持続可能に」商品をお届けする準備をする、と同義。

    運賃を上げないということは未来の輸送への放棄だと私は思う。

     

    どうしてこうなったのか?

     

    今まで規制緩和や構造改革によって市場をより自由化しよう!という動きが大きかった。

    市場を自由化すれば競争が生まれる、競争が生まれれば企業同士の生産性が上がり、消費者は今よりももっと安いサービスを受けることができる!と思われてきた。

    だけどそれでは格差の拡大や地方の過疎化が進んだだけで、30年のスパンで見たら失敗になっていた。

     

     

    運送業もそう。

    物流2法の規制緩和で市場は自由になったけど運賃の過当競争が始まり、運送業の中でも格差が広がった。

    トラックを持たなくても商売ができる水屋が乱立し、荷物の利益を吸い取る事態に陥った。

    イギリスやアメリカが新自由主義を進めていく中で日本は文化や民族、地理的状況も違うのに同じように進めていってしまった。

     

     

    今になって「多重下請け構造は悪いからぶっ壊そう!」という思惑も働くが、冷静に動いてほしいところ。

     

    多重下請けは悪い、だからぶっ壊して2次請けまでにしよう!

    というのはなぜかしら、小泉政権の郵政民営化に似てる気がしてならない。

    今までそのやり方で回っていた市場をぶっ壊す、ということは中々に暴力的なので進める側の慎重さが必要になると思っている。

    「多重下請構造検討会」の方々には構造ごとゼロベースで進めるのではなく一つひとつ改善していく方法でゆっくりのペースで進めていってほしいと思う。インクリメンタリズムを忘れないでほしい、なんとしても。

     

     

    今までの価格競争から一転、運賃交渉を進めていかなければいけないという中々な茨の道にはなっているけれど今諦めたらこれから先の運送業は先細りしていく。

     

     

    多重下請けはもちろん改善していく必要があるし運賃も上げていく必要がある。

    どちらもとても大切なこと。

    だけど過去の成功と失敗を参考に進めていってもらいたい。

     

     

    今日も連休前で運送業はべらぼうに忙しい。

    配車もドライバーさんたちもみんな無理せずご安全に。

     
     
     
     
     

    コメント

    奈良の狸ドライバー より:

    遥か以前に、バス関係の人から聞いた話では、値上げは会社から要望申請してるように世間は思っているが、役人からぼちぼち値上げ申請したらどうかと言うて来るらしい。役人ではなくて後ろにいる政治家が操るみたい、値上げを認め見返りを票にするんですなぁ。
    運送業は、そんなのなかったですか?
    因みに規制に緩和は無いのです、廃止です。節税も脱税だそうです、用語が無いそうです。

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