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  • 配車女子 とら子の「一配一会」

    2024問題とは何だったのか

     

    2024年12月29日 New

     
    • 20241229

    2024年も残すところあと数日になりました。

     

    今年は4月からの「働き方改革」施行スタートに伴う、2024年問題が大きく取りざたされた1年のスタートでしたね。

     

    みなさんの働き方は去年に比べて変わりましたか?

    会社、個人それぞれが変化を感じる1年になったと思います。

     

    私もその一人。

    そして、仕事の仕方についても価値観が変わりました。

     

     

    2024年問題で浮彫になった変わらなきゃいけない人たち

     

    2023年までの報道やネットニュース、SNSの大筋は

     

    2024年問題=運送業の問題

     

    として取り扱われていました。

     

    もちろん、働き方改革によってドライバーさんの労働時間が短くなりますので運送業への打撃は小さいものではありません。

     

     

    運送業は積み込み、荷下ろし、運転のほか、積み地での待機、おろし地での待機、仕分け、検品などで作業時間も拘束時間となって計上されます。

     

     

    ですが、この中で運送業が時間削減に対して解消できる部分というのは実はほぼありません

     

     

    積み込み、荷下ろし、待機、仕分け・検品などの付帯作業、これらは全て「荷主」側による作業面の変革が必要になるのです。

     

     

    そして、実際、2024年問題がクローズアップされた今年、作業面で変化をしていったのは「荷主」側でした。

     

     

    ◆作業面で変わった事

    ①バラ荷物がパレット積み、下ろしになった

     

    ②予約システムを導入する

     

    ③出荷オーダーを早めに出す/顧客からの注文締切を前倒しする

     

    ④倉庫ピッキング用の機械導入

     

    など。

     

     

    できるだけドライバーさんの拘束時間を長くしないように変革を余儀なくされたのは運送業側ではなく、荷主企業側だったのです。

     

     

    運送業、とりわけ、トラックドライバーさんの労働時間が短くなるから物が運べなくなる!!

     

    という大煽り見出しが散々ネットではばらまかれていましたが、

     

     

    労働時間を短くするのも長くするのも荷主企業次第、という当たり前のことが世の中に周知されました。

     

     

    運送業はどう変わるのか

     

    作業面や時間管理部分における荷主企業側の変革は必須でしたが、運送業も今のままでは時代に取り残されます。

     

    法律も厳しくなりますし、それ以上に回りの同業者の意識が上がっているので自社の運行管理も万全を期していこうとする運送会社が今年は本当に多く見られました。

     

    点呼要員としての社員を雇う、IT点呼を導入するためにGマークを取得するなど時間管理部分におけるソフト面の企業戦略を練る運送会社が本当に多かったです。

     

     

    今までの運送業は「運賃を下げて荷主を獲得しよう!」という、禁じ手であり諸刃の剣でもあった「運賃の安さ」で勝負をしていました。

     

     

    ですが、最近「いかにコンプライアンス遵守ができているのか」を運送会社の経営者さんたちは考えていらっしゃいます。

    トラック協会などの会合でお会いするたびに「これからは運賃よりもコンプラやな!」という話が良く出ます。

    それくらい、周りの意識が高くなってきています。

     

     

    全日本トラック協会会長が議員立法による新法構想など、業界全体による大きなうねりの時期にきたなと実感します。

     

    私は配車をしていて運賃はしっかり適正でいただく必要があると常々伝えてきましたが、最近そういうことを言ってくれる配車マンが増えてきたなとも思っています。

    正直、年配の配車マンは強気で荷主に交渉しきれていませんが若い配車マンはしっかり根拠をもって運賃を適正価格まで上げようと頑張っています。

     

     

    適正な運賃がどうして必要なのか。

    その理由の1つは「お金で時間を買う」ためです。

     

     

    本来、運賃とは別に「高速料金」は収受しなければいけないことになっていますが、18:00以降の積み上がりなら出します、などと言った条件付きでしか収受できないことがまだまだ多いです。

     

    ですが、何時に積みあがろうがドライバーさんの拘束時間を短くするために「高速道路を利用してもらう」のがマストになってきているので運賃はしっかりもらい、その中で高速料金を捻出するなどの工夫が必要になってきます。

     

     

    そして、何よりドライバーさんたちが短い時間でも今までと同等のお給料を収受できるようにするためでもあります。

     

    今までは走った分=お給料、という日給月給制でしたが、今後は月給制にしていく必要があると私は思っていてそのためにもまずは現状と同レベルもしくはそれ以上のお給料をお渡しするための資金を集める必要があると考えています。

     

     

    働く時間は短くてもお給料は変わらない、という常識を運送業に根付かせていきたいのです。

    長く働かないと沢山稼げない、というのはもう時代錯誤。

    適正にワークライフバランスを整えられる業界にしたいです。私も働いているから。笑

     

     

    2024年問題とは何だったのか

    ちょっと前にXでポストもしたんですが、今現在私が考える2024年問題の正体はこれ。

     

     

    作業面(ハード)での荷主側の変革と時間管理面(ソフト)での運送業側の変革をお互い手と手を取り合って解決まで進めていこう!という問題解決の道筋。

     

     

    それが2024年問題の真実なんじゃないかと思っています。

     

     

    世間の多くの人が「2024年問題って大変そう」と思ってくれただけでも大きな前進ですし、運送業についての認知も少しずつ上がってきています。

     

     

    2024年問題には運送業だけではなく、医療業界やきび業界も含まれていましたがとりわけ大きく周知されたのは運送業だと自負しています。

     

     

    以前からよく言いますが、運送業は荷主間取引の仲介業としての位置づけのため、現場で働く人たちの「働きやすさ」は荷主企業側の物流戦略に寄与するところが大変大きい。

     

     

    運送業だけで解決はできないことが多い問題が山積みだからこそ、世の中への周知とそれに向けての改善はこれからもどんどん続けていくべきだと思っています。

     

     

    まとめ

     

    2024年問題が今後どのような形で現場の私たちに影響を及ぼすかはわかりません。

     

    だけど、「やるべきことをしっかりやる」という当たり前のことを進めていくことがとても大切だと考えています。

     

    私の永続的な目標はずっと言っていますが、適正運賃をもらい、今と同水準あるいはそれ以上のお給料を現場のドライバーさんが収受できる環境を作ることです。

     

    だからそのために「やるべきこと」をやっていくだけ。

     

     

    本当は2024年問題がなくても運送業のことが沢山知られればよかったのだろうけど、こういう方法周知するという手段もあるのだなぁと仕掛ける方法についても勉強になった1年でした。

     

    年末年始、食品や飲料メーカーさん、宅配事業など様々な業種が休まず働いてくれています。

    そのお仕事をしてくれているドライバーさんももちろん年末年始、盆暮れ正月だからと言って休みではないことを毎年この時期にありがたく実感しています。

     

    今年は去年に比べて本当に寒いので年末年始もお仕事の方、暖かくして体調崩されないようお仕事されてくださいね。

    年明けにしっかり休んでリフレッシュもしてください。

     

    それではよいお年を。

    今年も1年ありがとうございました!

     
     
     
     
     

    コメント

    奈良の狸 より:

    流通業や販売業は一度譲歩したことは、それをもとに戻すのは不可能に近いと思われてます。ましてや業績を上げるために出したものはなどは、それが習慣になっていたら尚更です。
    でも世の中に、100%はあり得ないはずですから行政も巻き込んで地道な交渉を続けるべきだと思います。

    チェシャ猫 より:

    それでも二言目には「出入り禁止」とのたまうエスキモー坊や系の偉いさんはまだ存在してますよ〜

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